2021年12月10日(金)

第9回 脳卒中ケア研究会のご報告

皆様

いつも脳卒中ケア研究会をご支援いただきありがとうございます。

昨年は、コロナ禍のための定例会を見送りました。しかし、本年度は、このコロナ禍で懸命に看護している看護師の活動をぜひ皆様と共有したいと考えました。そんな思いで、第9回 研究会を11月6日(土)にオンライン(YouTubeのオンデマンド:12月3日終了)で開催しました。当日ご参加いただいた皆様、オンデマンドを視聴していただいた皆様、ありがとうございました。

本年度のテーマは、

「語ろう!コロナ禍における脳卒中患者への看護 私たちそして皆んなの未來〜ミライ〜」

でした。

地域看護~施設内看護(急性期・回復期)とあらゆる看護場面で活動する4名の脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の方にご登壇いただきました。

①山添 幸氏 (社会医療法人甲友会 西宮協立脳神経外科病院)

②小川敦子氏 (藤井会リハビリテーション病院)

③石橋裕子氏 (公益社団法人 奈良県看護協会立橿原訪問看護ステーション)

④林 真由美氏 (近畿大学病院)

一人目の脳卒中急性期専門病院の 山添幸氏 は、コロナ禍であっても地域の脳卒中救急医療を途絶えさせることなく看護を継続してきた現場での感染予防の徹底と適切なケアの提供の現状を伝えてくれました。

 

二人目のリハビリテーション病院回復期の 小川敦子氏 は家族との面会が中止される中、脳卒中患者の退院へ向けての調整困難や家族と患者の絆を保つための看護の工夫、感染予防対策を取りながらでの運動の工夫など、これまでの看護活動をさまざまな条件の中で創意工夫してきた現状を伝えてくれました。

 

三人目の 石橋裕子氏 は、訪問看護活動の観点からお話しいただきました。石橋氏は、脳卒中患者だけに限らず訪問看護活動はコロナ禍であっても利用者の生活は日々続いていく中で全く変わらない、変えられないといった揺らがない看護師の姿が想像できました。

四人目の 林真由美氏 は、新型コロナ感染症患者を受け入れつつ、脳卒中患者の看護に携わった経験から、未曽有の状況下での看護活動の困難や新たな看護の必要性など試行錯誤して懸命に急性期看護に取り組んだ活動の現状を伝えていただきました。

そして、パネラーのお話に引き続き、参加者の方々との座談会では、コロナ禍で感染予防対策を徹底することはもちろんだが、「コロナ禍での看護師たちの指導はどうしていたのか」、「家族が面会できない現実にどのように対応してきたのか」など共通する問題、あるいは退院支援や人生会議についてなど広く議論できました。今回の研究会を通じて、どのような状況であっても脳卒中患者の看護をやり続け、社会の変化に応じて質を維持向上させていく看護の力に改めて感動を覚えました。

今回は、オンライン研究会ということではじめての形式に備え、事務局では十分な準備をしてきましたが、反省点も多々ありました。この場を借りてお詫びいたします。

来年の第10回 脳卒中ケア研究会では、さらに皆様のニーズに添うようにしっかりと準備をして、状況が許すならば皆様と会場で議論できることを願っております。

脳卒中ケア研究会は皆様とともにこれからも考え続けられる場でありたいと思っております。引き続きご支援をお願いいたします。